【昆虫界の傾奇者】ツノゼミ
生物の生態や進化の過程というのは、まだまだ謎が多い。上の写真のいかにもな生物もまた、例に漏れずそうした謎を多く含んでいる。
ツノゼミの特徴は何といっても、個性的な角である。なぜそんな形をしてしまっているのか。生物の形態には何かしらの目的があるものである。特徴的な部位というのは、敵と戦うための武器であったり、異性へのアピールポイントだったりするのが普通だ。しかしツノゼミの角は、用途が全く不明なのだ。そのくせに、やたらその形にはレパートリーがある。写真のようなコブ状のもの以外にも、剣状や枝状のものが見つかっている。彼らの目的はいったい何なのだろうか。
そもそも、その角がどの部位にあたるのかもはっきりしていない。調べたところ、一応胸の一部とする説と翅が変化したものとする説があるらしいが、決着はまだついていない。こんなものにそんな議論するだけの価値があるのだろうか。この角が体のどこにあたるかが分かって何の役に立つか、私程度の人間では想像もできない。そうした問題にも深く考え、懸命に議論する学者の方々は偉大である。なりたいとは思わないが。
このように、ツノゼミの角には多くの謎がある。しかしながら、ミステリアスさを微塵も感じないのはなぜであろうか。それは私たち人間も、得てして無意味な行動に走りがちだからなのかもしれない。もしツノゼミの謎に挑戦したいという人がいるのだったら、併せて中学校の卒業アルバムを見てみることを勧める。きっとツノゼミに負けず劣らずの、奇抜なヘアースタイルを発見できることだろう。
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