変わったいきもの図鑑

見た目、生態、名前等おもしろい特徴を持った生物を紹介します

【昆虫界の傾奇者】ツノゼミ

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 生物の生態や進化の過程というのは、まだまだ謎が多い。上の写真のいかにもな生物もまた、例に漏れずそうした謎を多く含んでいる。

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 ツノゼミの特徴は何といっても、個性的な角である。なぜそんな形をしてしまっているのか。生物の形態には何かしらの目的があるものである。特徴的な部位というのは、敵と戦うための武器であったり、異性へのアピールポイントだったりするのが普通だ。しかしツノゼミの角は、用途が全く不明なのだ。そのくせに、やたらその形にはレパートリーがある。写真のようなコブ状のもの以外にも、剣状や枝状のものが見つかっている。彼らの目的はいったい何なのだろうか。

 そもそも、その角がどの部位にあたるのかもはっきりしていない。調べたところ、一応胸の一部とする説と翅が変化したものとする説があるらしいが、決着はまだついていない。こんなものにそんな議論するだけの価値があるのだろうか。この角が体のどこにあたるかが分かって何の役に立つか、私程度の人間では想像もできない。そうした問題にも深く考え、懸命に議論する学者の方々は偉大である。なりたいとは思わないが。

 このように、ツノゼミの角には多くの謎がある。しかしながら、ミステリアスさを微塵も感じないのはなぜであろうか。それは私たち人間も、得てして無意味な行動に走りがちだからなのかもしれない。もしツノゼミの謎に挑戦したいという人がいるのだったら、併せて中学校の卒業アルバムを見てみることを勧める。きっとツノゼミに負けず劣らずの、奇抜なヘアースタイルを発見できることだろう。

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【海中の不死鳥】ベニクラゲ

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 手塚治虫の作品「火の鳥」を見たことがあるだろうか。主人公の火の鳥は100年に一度、自らを炎で焼き、再生し幼くなることで永遠の時を生きる。漫画の中では、そんな火の鳥の永遠の命にいつの時代も人間は翻弄されてきた。不老不死とは人類にとって永遠のロマンなのである。実は、そんなロマンを体現する生物が現実に存在する。それは空を駆ける鳥ではなく、海を漂うクラゲである。

 ベニクラゲは他の生物には見られない特徴として、生活環の逆回転、つまり若返りが可能という特性を持っている。子どもを産んだ後、ベニクラゲはポリプという未成熟な状態に体が戻り、再び成長を繰り返していく。そしてそれは外的な問題が起こらない限り、永遠に続くのだ。人間で言ったら年を取るたびに、子どもの体に戻るということである。まさに不老不死だ。体の中の鮮やかな赤い消化器も、心なしか不死鳥の翼に見えてくる。

 事あるごとに「子どもの頃に戻りたい。」だの「若い頃の俺は凄かった。」だの愚痴をこぼす私たち人間にとって、ベニクラゲのこの特徴はとても魅力的である。もしかしたら、「生まれ変わったらベニクラゲになりたい」などと思う人がいるかもしれない。だが、よく考えてほしい。ベニクラゲの永遠の時間の使い道のほとんどは海を漂うだけである。波に流されあっちにフヨフヨ、こっちにプカプカ。何が面白いというのか。何かしようにも、波に抗うほどの力はクラゲなのでない。死ぬまでプカプカしようにも、寿命では死ねないのだ。ベニクラゲの方も「もういっそ殺してくれ」と思っていることだろう。永遠の命は死と変わらない。有限の命を燃やしているからこそ、人生は輝くのだ。

 

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